――…なに?





ああ…あの日の記憶が蘇る



停学処分て…



まじありえないっしょ…





あばらの骨たかだか1本。

顔面に大きな傷跡。

別に後遺症が残るワケじゃないし。





「日本の男も弱くなったもんだ!!」


開き直って叫ぶわたし。

てか、開き直るしかない。

わたしはあの日に

ちょっと…ケンカ魂がうずいたんだよ。



「バカかっ!!なーにが日本の男だよ!オマエに勝てるやつがこのガッコにいるかっての!」


バシっと頭を叩かれた。

「…痛いよ…」

リュウが、3日間の停学処分になったわたしの部屋に来ているのかな?


「ほんとにオマエ、女かよ?」


なんて聞かれれば。

「…女だよ…」

と言うしかありません。


「それよりっ!ちっさは?気にしてなんかないよねぇ?!」


「……」


黙り込むリュウ。

え? なにこの空気?どしよ?


「めっちゃ気にしてるよ、ずっと上の空状態…」

「…そう…」

やっばいなー。やばい。どーしよー。



「…由宇がいないと…オマエがいないと…」

「なに?」

「俺も千沙紀も元気でねぇんだよ」

「…んなワケあるか」

わたしは軽く笑って…冗談を受け止める。

どーしたんだろ…リュウ。


「マジだって…女なんだから…あんまり危ないことしないでくれよ…心配させんなよ…」



――――― リュウ?


リュウの顔が――近づく

リュウの手が――伸びて

リュウの体が――




わたしに抱きついた。