あの日の願い

私は、食事の終わった義春さんに向き直った。



「義春さんに、お話があります」



「話とは、なんじゃ」



この人は、おおらかな質なのかこの世界についてあまり気にしていないみたいだ。



事実、私の服装に関しても変わった恰好だと言うものの、別段気にした様子もない。



しかし、ここは現代日本なのだ。



戦もなければ、馬もいないし、刀なんか持って歩けば銃刀法違反で現行犯逮捕は確実。



私はどうやら、彼がタイムスリップしてきたと信じるしかないようだし。



いま、彼がいる世界について話をしなければならない。