あの日の願い

「…千代、この箱には小さい人が入っておるのか」



しげしげと、テレビを見つめる彼に思わず、吹き出した。



「ふふっ、それは、映像だから中に人は入ってないですよ」



よくわからん、と呟くと彼はまた食事に戻る。



『信長様!お逃げください』




「千代!この者は信長ではないぞ!偽物じゃ」



テレビを指差して、大きな声で彼は叫ぶ。



「えっと…、この人は信長を演じてるだけだから、ね?」



「演じている?」



「つまり、お芝居なの、この人は、役者さん、かな?」



で、いいよね?