結局立川くんのお誘いは、また別の機会にしてもらい、泰葉は学校が終わると香奈の家へ向かった。
前に一度だけ、遊びに行ったことがある。
思い出しながら住宅街を歩いていると、ジャージ姿の香奈がコンビニの袋を持って向かってきた。
香奈も、泰葉に気付いたらしく立ち止まる。
「泰葉…何してんの?」
目を見開いて驚いている。
「あ…えっと…お見舞い…かな?」
アハハと笑いながら言う泰葉を、不審な目で香奈が見る。
「…高橋から聞いたの?」
ドキン
「え…?」
「フッたから慰めてくれって頼まれて来たなら、帰って」
冷たく言うと、泰葉の横を通り過ぎる。
「香奈!」
泰葉が叫ぶと、ぴたりと足を止めた。
でも、振り向いてはくれない。
「今…先生が大変なの」
「…大変?」
泰葉に背を向けたまま答える。
「香奈と、先生が付き合ってるって噂が流れてるの」
「は!?なにそれ!?」
勢いよく香奈が振り返った。
「実は…」
「ちょっと待って!ここじゃ、あれだから家で話そう」
と言い、泰葉の腕をひっぱりながら歩く。



