「今日のところは30分程度にしといてください。患者さんの体調もよくありませんので…」
「わかりました。ありがとうございました」
病室に入ると看護婦は、軽く頭を下げ病室から出て行った。
個室の病室のベッドに、麻生の母親が寝ていた。
「お母さん」
支えいた手から離れ、麻生は走って母親のベッドに向かう。
その声に気付いたのか、母親は目を開けた。
「…楓?」
力ない声で、娘の名前を呼ぶ。
「そうだよ。…大丈夫なの?」
「心配させてごめんね。せっかくの…修学旅行だったのに…」
「ううん…全然いいよ」
目に涙を浮かべながら母親と話す麻生の姿を、扉に寄り掛かりながら見ていると…
父親に電話してくると言い、麻生が病室から出て行った。



