「…はぁ」
先生は大きな溜め息をつき、髪をかきあげた。
「…悪かった」
「…え?」
ボソっと小さな声で、先生が俯きながら話し出す。
「中庭にいるとき…せっかくお前が呼びにきてくれたのに…悪かった」
「いえ…全然…」
泰葉も俯き、首を横に振る。
本当は聞きたいことがあるのに、唇がきゅっと閉じてしまう。
麻生さんとー…
「…情けないな…俺」
先生の一言に、泰葉は顔を上げる。
深くソファーに座り、腕で顔を覆っている先生がいた。
"情けない"…?
先生の口からそんな言葉が出てくるなんてー…
さっきまで考えていたことが、先生の一言で消えてしまった。



