「…心理学の本ばっか…」 泰葉と同じ疑問を、今度は麻生が先生に問い掛ける。 「…もしかして…先生」 麻生さんの表情が変わったのがわかった。 嬉しそうな…今にも、泣き出しそうな表情ー… 先生は黙ったまま、立ち上がった。 泰葉が手に持っていた本と、麻生が持っていた本を受け取るとスタスタと歩いて行ってしまった。 「先生!待って!」 そう言って、追い掛けて行ったのは麻生。 泰葉は一人… 雨で薄暗くなった廊下に、立ちつくしていた。