裕典を失ってから、数ヶ月が経って。

時間は、あまりにも早く過ぎていくから、思い出だけが重くのしかかり。

ほんとは、一輝と、笑って一緒にいられるはずなのに・・・。


なんだか、うまくいかなくて。


あたしの視界が、全てセピア色に染まってしまって。



それでも、一輝が好き、という気持ちに代わりはないから。



もう一つの、大切なことだけ、信じて・・・。いきたくて。


あたしの、希望は、もう、一輝しか、居ないのだから。




「最近、元気ないね?何かあったの??」

「え、何も、ないよ。そんなに元気ないかな?」

「うん。元気ない。」

「ごめんね〜。どうしたんだろうね。あたし。」

「・・・、明日休みだし。ディズニーシー、行かない??」

「・・・・。」

「咲さん、ずっといきたがってたでしょ?俺も、行ってみたいし。」

「・・・・。」

「行きましょう、ね、決まり!」


セピア色に染まったあたしの心は、いつか、晴れるのだろうか・・・。

そんな事を漠然と想いながら、あたしはコクンと返事をした。



そのまま。

一輝の部屋に行って。

手をつないで、眠った。



これからは、この人と、一緒に居られますようにって、想いながら。

浅い眠りについた。