三月の告白





佳南と別れて、まっすぐ帰る。


よく寄ったコンビニ

よくたまって色々語った道端

遅刻しそうになって
何度も走った坂道



そこがなくなるわけじゃないけど、こんなに哀しい。

中学生のあたしは、もう明後日にはいないんだ。

着慣れたこの制服を着てこの道を歩くのも、もう後ほんとに何回かしかないんだ。


もっと大切にすればよかった。制服も、鞄も、靴も




『卒業』を考えると、

世界はまるで変わって。

今までそこにあった何かがなくなっていくような。






新品のクリアファイルを鞄から出した。

本当は今日、佳南に見せようと思って持ってきたんだけど。



中には、あたしが初めて作った歌。