三月の告白




一段、一段、踏み締めるように階段を昇り

歩きなれたルートをきて教室についた。
目をつむってもきっと辿ることができるんじゃないかと思うほどなれた道のり。




途中、普段はお喋りなのに、二人共ずっと無言だった。





ドアをあけようと歩みよると、既にドアは空いていて。

いつもより少し綺麗に見える教室内は、静かで澄んだ空間で、木目調のワックスがきいた床が太陽光を浴びて、控えめに白く光っていた。



今日で最後だと思うと、窓際の一番後ろの席だったあたしは、自然に視線をずらして、窓から見える外の景色を目に焼き付けた。



見える住宅地も。

広い校庭も。

映る、些細なところまで全部。