2人と別れて、あたしはいつもと少し違う通学路を歩く。 なんだか知らないところのようで、よく知る地元だっていうのに不思議な気分。 バンドのみんなといて、すっかり軽くなってた『卒業』の二文字が、あたしの中で、また重みを増してきた。 でも、昨日よりはマシな方で。 『マシ』……というか、『現実味がない』って感じ。 ふわふわした夢の中みたい。 気付けば、あたしはもう 見慣れた門の前に立っていた。