三月の告白



「でも…、やっぱ、『最後』だしさ。

みんなで打ち上げ、ってのも楽しいかも……」



今までも、そうしてたし…

あたしが迷ったように言うと、ケンちゃんがあたしの背中を強く叩いた。



「何だーっ今更!確かに俺らは来年、同じ高校決まってんよ?俺らはこれからも離れねぇからいいけど、他の奴らとは『最後』だからってのも『みんなで』ってのもわかるけどさぁ。

けど、中学の俺らは今日でオシマイなんだかんな!」



ジーンとするあたしをよそに、佳南が「忘れ物した」っていって来た道を戻って行った。



「え!?か……」
「え……今俺結構いい事言ってたべな……?…え……?佳南…?」

「…俺ら先行ってるわ」



先に行くもなにも、あたしとケンちゃん達は違う中学だよ?

あたしの言葉はケンちゃんのギャグ臭い台詞と拓也君の大声に被さって消えた。



「ねぇ、さっきあたしがくる前に佳南が持ってた……」

「なに?」


とぼける拓也君にあたしは不信感を抱いた。



「あれ?さっき紙みたいのもってなかったっけ?」


「気のせいじゃない?」


え?気のせい、じゃあないと思うんだけどな……?