―今までありがとう




―幸せ、でした







遠くなる彼の背中に
そう言えるのは、心の中でだけ





あの人は


あたしの知らない彼の顔を見て


あたしの知らない彼の囁きを聞いて


あたしの知らない時間を、



彼と過ごすんだろう