act1.≪証拠≫






シャワーを浴びて
リビングに戻ると、
彼の姿がなかった。


ガラステーブルの上には、彼の携帯電話。




初めは、
彼があたしを信頼してくれている証拠だと、嬉しかった。


彼の帰りが遅くなろうとも、寝ずに待っていたりして。




『ちょっと飲んでくる』



家を出る前にそう告げた彼に
違和感を感じたのは、いつだったか。