『いいよ。 俺の前では、隠さなくていい。 笑わなくて、いいから。』 抱き締めた彼女の細く小さい肩が、 震えていた。 彼女との距離は 近いようで、遠い。 何が、彼女をそこまで堕としてしまうのか 何故、俺にだけそんな顔を見せるのか 何も知らないから。 それでもいい。 彼女が俺を頼ってくれるなら、 俺の中に、 彼女の居場所を見付けてくれるなら、 俺はいつでも空けておくから。 どんなことでも受け止めるから。