彩葉唄


「私が一番嫌う花だ」

その人物は茨木に触れると

勢いよく

その花

茨木を握り潰した

刺が食い込み

血が流れる手よりも

霧夜は

その懐かしい人物の顔を

驚愕の表情で見ていた