「鈴に何した?」

「貶しまくったわ、ついでに、バケツに

あった水頭から掛けちゃった。」

「お前、最低だな。」

「あの娘が悪いのよ、桐の近くにいるから。」

「鈴は?」

「知らないわよ。あの娘も剥きになって

言い返してくるからほっといたの。

そしたら、居なくなってた。

これで、桐はわたしのものね。」

「俺はものではないし、もう、話かけてくんな

警察呼ぶぞ。」

「えっ。」

急に顔色が変わった女を見て鋭い一言。

「お前嫌い。鈴に何かあったらただじゃおかねぇ

から。」

そういったら、女は泣きそうになってから去ってい

った。正直腹が煮えくり返る怒りを覚えた。

マンションから出ようとしたら、湊に話掛けられた。

「さっきの話本当のこと?」

顔から受け取れるのは心配そうな不安な顔。

「ごめん。俺のせいで。」

「何で桐のせいなの?桐はなんにも悪くない。」

「でも、・・・」

「今は鈴を見つけるほうが先でしょう?」

「ああ。」

顔が少しだけ緩んだ気がした。