自分が悪いことだけど、知らない土地に知り合いが

居ないと不安にはなる。

でも、私は気分屋だからあんまり顔に出さないし、

それで弱みに付け込んでくるヤツがこの世に

いるのは知ってる。

湊たちを探す中、ぞろぞろと前に立ち憚る。

「何?」

挑発してるわけじゃない。

元々、知らない人には警戒するっていう性格上。

「あのさ、1人?」

ほら、来た。

「それが何か?」

見れば分かるだろう。

今は1人だし。

「それなら、俺らと遊ぼうよ。」

肩にいきなり手を置かれた。

「お断りします。」

丁重に断った。

キレられても困るし、

この状況が不利なのも充分承知。

香水臭い。

しかも女物の。

人数が多いし、相当の悪だな。

振り返り、違う場所に行こうと思ったのに、

「そういうこと言わないでさぁ。」

「離してください。」

腕を捕まれたまま、引き戻された。

「悪いようにはしないから。」

「それなら、離してください。」

「考え直してくれた?」

ウザイ。

キモい。

しつこい。

触んないで欲しい。

変な目で私を見る。

そういうのホントいい。

私の見た目でしか近づいてこない

そういうヤツに分かってもらいたい

とは思わない。

だから、関わりたくない。

だから、嫌いなの。