空だって泣かずには居られなくなる。
人間の痛みをきっと分かりながらも
見守ることしか出来ない。
そんな空を偉大だと思う。
私にはきっとそんな強さを持てないから
うらやましくて、だけど好き。
この世界で小さくしか残らない私は
空のようには偉大になれない。
空のように泣きたくても泣けない。
笑いたくても笑えない。
前からずっと刻まれた私の過去は
深くても人が立ち入る隙なんて全く
なくていつも心を暗闇に落として
必死に隠した。
自分はいつも普通で居なければ
それが私自身の心を置いてきぼり
にした結果であったとしても。
誰も責められない。
それを望んだのも私自身なわけで。
空が羨ましい。
あんなに澄んでいるのに、暗闇なんて
見えないのに涙を流すんだ。
何でと聞いても答えてはくれない。
それでも私を微笑むかのように
照らす光はいつもどこか痛くて
眩しくて辛かった。
見透かされたように突き刺す
それは湊のように眩しくて
見えなかった。
空をマジマジと見ながら
缶ジュースを飲み干す。
空はどこまでも限りなく
澄んでいた。