店内に入るとピンクがメインで可愛いお店だ。

「みんな入りずらいなら外で待ってて

いいからね?」

そう言ってもみんなは傍に来てくれた。

ほんとはすごく心強かった。

今にも泣きそうな私にはみんなの優しさが

心に染みて嬉しかった。

みんなが私を大事にしてくれて

いるのがわかった。

私なんていい子じゃない。

みんなが思っている私は

私じゃない。

でも、信じて一緒に居てくれるなら

嘘でもいい子でいたい。

真実を知れば傍に居てくれなくなる。

それが来ることを知っているから

あんまり喜べずにいる。

飼い猫っていう良さに気づき始めている

以上にいつか戻る野良猫の日が、

出来れば来ないで欲しいと切実に

願う。

私の中にあるものがどこか

薄暗く心を曇らせる。

私はきっとまだ知ってはいけなかった。

誰かに居場所を与えられては

いけなかったんだ。

棚にあるマッグカップを見て

泣きたくなった。

もうずっと前に壊された私の

大事にしていたマッグカップと

同じ絵が描かれたもの。

震える手がマッグカップへと

手を伸ばす。


もう忘れられるぐらいなら

忘れてしまいたいと思う記憶が

なくなってしまえば楽でいいのに。

いつまで私は彷徨った迷路の中で

迷子になっているんだろう。