前にもあったけど、小さく見えて、瞳の

奥があの時みたいに冷たくて、暗くて、

寂しそうだった。

湊。

私は湊のこと安心させたり出来ないのかな。

湊の心を癒せたらいいのに。

私なんかじゃ、癒せないのかな。

「何で湊が謝るの?」

「・・・鈴?」

見上げるように見た湊の瞳が自分と重なって

痛かった。

「湊は何にも悪くない。」

「・・・・・・・・・・」

「悪いのは私だから。湊は謝っちゃ嫌だ。」

「・・・・鈴?」

「何にも知らなくていい。

湊の今が知れればいい。湊が傍に居てくれれば

それ以外に何にも知らなくていい。

今の湊が湊だから。」

「・・・鈴っ。」

「嫌だよ。湊。湊が居なくなったら嫌だよ。」

「居なくならないよ。ただ、空気が

吸いたくなってね。」

「・・・・湊ぅ。」

「その言葉を信じるよ。」

「ホントに?」

「鈴を嫌いになんてならないよ。

捨てるなんて絶対にしない。鈴は、傍に

居てくれるんでしょ?」

「居るよ。湊の傍に居る。」

「それなら、平気だよ。」

「平気?」

「もう辛くない。思い出すのは痛いけど、

鈴が傍に居てくれれば辛くない。」

「私?」

「鈴の言葉が救いなんだよ。」

「??????」

「鈴が居ることが一番安心する。」

「そうなの?」