サディスト姫は、残酷に自分を否定した。

悲しさから我を失ったかのように。

自分が最低だと告げた。

まるで、全てが悪いのは自分だと言うように。

儚くも彼女は今にも消えてしまいそうなほど、

痛々しく見えた。


said 湊

周りは、一瞬だけ沈黙したがすぐにさっきの

ように戻った。

ここにいる、俺や桐、尚、満そして鈴だけは、

沈黙を残して。

でも、初めに沈黙を破ったのは、鈴だった。

静寂に包まれたこの空間に消えそうなほど、

小さな声で、今にも消えてしまいそうなほど

弱弱しく告げた。

「・・桐、ごめんなさい。・・・・・っ・・

私、桐を守れなかった。・・・・・」

桐が鈴のことを見つめる。

「どういうこと?」

鈴は、次に尚の方に向いた。

「・・・・・尚、ごめんなさい。・・・

私やっぱり、こんな自分好きになれない。

大嫌い。消えちゃいたい。」

「鈴、何言って・・」

今度は、俺のほうを見て言った。

「・そ、・・湊、ごめんなさい。・・・

私は、全然いい子じゃないんだよ。」

「鈴。」

そう言って名前を呼ぶことしか出来なかった。

「私は、ここに来ることが怖くて逃げようと

した。」

そう言った鈴は、苦しそうに悲しそうに、

声を吐き出す。