「最低よ。いつまでも、他の女ばかり

見て、私なんか絶対相手してくれない。」

「・・・・・・・・・・」

「どうして。バーで酔った私助けたのよ。」

「・・・・・・・・・・」

「気もないのに勝手に助けるな。そんな思わせ

ぶりな態度なんてするなんて最低だわ。」

「黙ってれば私の悪口から桐の悪口に。」

「なによ。間違ってないわ。」

「間違ってる。何で、好きな人の悪口が言えるの?」

「あんたのきれいごとがむかつく。桐もきれいごと

ばかり、私を見てないのもむかつく。」

「自分ばっかり。桐は、あなたを傷つけるような

ことしました。」

「あんた。むかつく。」

片手にあったお酒が頭から掛かる。

服がびしょぬれになった。

「あなたは、桐の何を知ってるの?」

「あんたこそ何よ。」

「あなたには、桐を好きになる資格なんてない。」

「なによっ。」

バシっと叩かれた頬がヒリヒリする。

「そうやって、暴力したことなんてない。

桐が、好きならなんで、こんなことするの?」

「あんたって最低。」

言われた言葉に目が覚めた。

確かに、この前もこんなことあった。

外から見えるネオンが最低すぎた自分には

痛かった。

光るネオンは町に誘惑を魅せる。

魅せられたネオンはあまりにも残酷で、

誘惑した心なんてもうずっと空っぽ。

もう誰も入らないで。

心に走る思いが込み上げるたび今の自分

が、湊、桐や尚に見せられる姿じゃないと

思った。