そして、繰り返して話を聞いているうちに一つだけ、私が確信を持ったのは、肉眼では見えない、私の葛藤を察知したのが穂積さんであるらしい、ということだった。
ただし、不明なところの多い状況でもあったので、軽率な発言をしないように細心の注意を払い、その時点においてはこう語りかけたのだった。
「もしも、雨ちゃんが誤解を受けているならば、あの日、雨ちゃんはよく動いていたっていう、私の証言を報告して貰ってもいいいよ。」
「必要があれば、私からも伝えるよ・・・。」
そう言われて安心したのだろうか?
相槌に雨ちゃんは、安堵の音色を聞かせてくれたのだった。