【続】ギャップ的恋愛論






ただぱちぱち瞬きを繰り返すあたしの反応を見て、またもやこのくるくるぱ〜め!と小突いた朋歌は、再びケータイに視線を落しながらも説明してくれた。






高等学校必履修科目未履修問題−−−






漢字で書くと難しそうだけれど。





つまり、本来なら受けるべき授業(必修科目)を削って、代わりに、受験に必要な科目を選択させていたために、生徒が卒業するのに必要な単位数(授業時間)が足りなかったって問題らしいんだけど……





「なんとなく聞いたことはあるけど、もうウチの学校では選択科目なんてないじゃん?
全部ぜ〜んぶ、あるじゃん?」






なんでいまさらそんな話題が持ち上がるの?




しかもニュースにまで。




やっぱりわけわかんない。





「ところがさ、1こだけあったんだよ、未履修ってのがさ」



「な、なに?」





やっとケータイから視線を外した朋歌が、やけに神妙な顔つきで迫ってくるから、あたしはとっさに体をのけ反らせていく。





ものすご〜くイヤな予感が……





「プール、水泳よ、水泳」



「んげっ!?」





耳元で囁かれた言葉に呻き声を上げたあたしは、そのままがっくりと肩を落としていった。






水泳……





聞くだけでもシクシクお腹が痛む、世の中であたしが最も嫌いな言葉……







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