……っていうか、






「もともとはルイ君のせいなんだからね……」






心の不満をぽつりと呟いてみる。






だけどルイ君にはやっぱり届かなかったみたいで、さっきよりもグッと近い距離で、ん?なんて囁かれてしまった。






「な、なんでもないっ…… ほらほら、仕事仕事」



「クスクス… わかりましたよ。乙葉お嬢さま……」





下を向いて手袋を外しているあたしの頭を撫で撫でしつつ、そう言ってルイ君は背中を向けた。






完全に、子供扱い……?






まあ、いいや。






だってあたし、子供だも〜ん!






手袋の中から現れた絆創膏だらけの手を見て苦笑する。






こんな傷だらけの大人なんて居ないもんね……






それに……





ゆっくり口元に運んだミルクティーは、予想通り甘かった。






こんな甘い紅茶、お子様しか飲まないよね……






カフェイン系が苦手なあたしは、コーヒーも紅茶もまともに飲めない。






唯一飲めるのが、コレ。






牛乳と砂糖がたっぷりの、ミルクティー。






ホントはこんなメニューないんだけど、あたし用にといつも作ってくれる。






完全に甘やかされてるな、あたし……






つくづくそう思いながら飲んだ二口目は、やっぱり甘くて美味しかった。






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