「そりゃ…持ってるわよ。老けてはいるけど、晋ちゃんだって年頃の男だもん」
マジっすか!?
ってことは……怜二も……?
ぎょっとなってるあたしに、さらに朋歌が囁く。
「でも凝り性だから、DVDじゃなくてブルーレイかもね。
どっちにしろ、アンタん家いけるでしょ?」
ああ、なるほど……
あの真鍋先輩だもの、画像にもこだわりがあるわけね?
うん、納得!
って、なるか〜い!!
「そりゃどっちも見れるけど……」
ついでにママの趣味でプロジェクターまであるけれども。
あんなのを大画面で見た日には、絶対吐いちゃうよ……
「ホントに借りてくる気?
理由はなんていうの?」
「ん?乙葉の性教育って正直に言うわよ?
大丈夫、なるべく軽いの借りてくるからさ」
朋歌の言葉に、あたしは絶句した。
あたしの、性教育!?
それでも話すのを止めない朋歌。
「本番までにあたしが乙葉を鍛えてあげるわよ。
この朋歌さまに全てまっかせなさ〜い!!」
胸を張ってにんまり笑う朋歌に呆気に取られながら、一抹、ううん、巨大な不安があたしを襲う。
『まっかせなさ〜い』って……
たしか前にも同じようなことを言われたような記憶が。
あの時は気迫に押されて頷いちゃったけど、今回はいくらなんでもそれは……
「言っとくけど、アンタに拒否権はないからね」
ううう……やっぱりそうなのね……
結局あたしは、頷かざるをえなかった。
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