1コぐらい取ってもバレなくない?そう呟いた朋歌の手が、腕時計に伸びそうになった時、





『……おい』





さっきの雄叫びで再び戻ってきた怜二に、あっさり御用となった朋歌。





『どうせ女からの貢ぎ物なんでしょっ』





なおも食い下がらない辺り、すごいとは思うけど、絶対敵にはしたくないタイプ。





まあでも、あたしもそうかな?と疑ったから、ある意味同罪かもしれない。






結局その時に、呆れながらも怜二が教えてくれたんだ。





『これは全部親父からの誕生日祝い。
“絶対に時間は裏切らないから”ってさ……』






あの時は朋歌にハラハラさせられて、怜二の言葉をよく考えなかったけど、





“時間は裏切らない”って、どういう意味なんだろ……?





まるで怜二とお父さんが、今まで裏切られたことがあるような言い方だよね……?





一体、誰に……?






「……は!…とは!乙葉!!」



「……ん?」





名前を呼ばれたことに気づいたのと、あたしの頭に朋歌のゲンコツが落ちたのとは、ほとんど同時だった。





「いったぁああ…!」



「ふんっ 当然の報いよ」







この人、どこまで凶暴化するんでしょうか……クスン…







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