いやいやいや
そんなはずはない!





へこみそうになる思考を、頭をブンブン振って追い払う。
その拍子にエクステが勝手に怒りん坊の朋歌に攻撃を仕掛けてようが、この際関係ない。






「あたし達はいたってラブラブですから!」





鼻息荒くあたしが意気込むと、顔に直撃したエクステをうっとうしそうに払いながら、朋歌は適当にはいはいと頷いた。






「“まだ”破局してないってことね……」



「“まだ”じゃなくて、永遠にしないっつうの」






うん、絶対しないもんっ!!




やっと手に入れた男をみすみす逃してたまるもんですかっ!!!




あんな自分の理想そのものの男を………








神木 怜二―――





またの名を“キモダサ野郎”





この人は、恋愛初心者のあたしの最初で最後の彼氏……のはず。




普段はダサい黒縁メガネをかけてて



髪はボサボサ



制服はどノーマルな上に寸足らず



せっかくの長身を猫背にして



教卓の前にヌボ〜と座ってるような



キモ〜くて
ダサ〜い男なんだけれど







ホントはね―――





陽に透けるとキラキラ光る繊細な髪



色素の薄い切れ長の瞳



しゅっと通った鼻筋



尖った顎のライン



思わずキスしちゃいたくなる唇



その全てを兼ね備えた





超超超カッコいい
あたしの自慢の彼氏なんだ♪♪♪







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