「絶対参加しようね!」






散々、ホストになったら怜二に何をしてもらうかで盛り上がった2人が、弾んだ声でトイレから出て行く気配がした。






その間、あたしはずっと個室に篭ったまま、どういうこと?って自問自答を繰り返してばかりだった。






だから、やっとカギを開けて外に出た時には、とにかく本人に確認しよう、という気持ちで一杯になっていたんだけど……






急いで向かった教室で、いつもの教卓前の席に俯せで寝ている怜二を見つけた時には、がっくりと肩を落とすしかなかった。






それでも起こそうと思って近寄ったけども、ここでラリックの話をするのは気が引けて、一瞬迷いながらも自分の席へと戻ってしまった。






「なにやってんの?ウロウロしちゃって」



「や…、なんでもない」






朋歌が胡散臭そうにあたしを見ている。






「なんでもなくはないでしょ?真っ青な顔して」






昨日一日、DVDの一件で散々母親に嫌味を言われたと怒っていた朋歌だけど、やっぱりなんだかんだ優しいんだよね。






「実はね……」






普段から朋歌に頼りっきりのあたしは、結局は相談する道を選んだ。







「今トイレでね、怜二がホストになるって噂聞いちゃって……」







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