歩き出してすぐ、そういえば…と、あたしがエロ師匠嫁である朋歌へのちょっとした仕返しの話をすると、怜二もノリノリでそれを了承してくれた。






「ちょっとはアイツにお灸据えてやんねぇとな。
ついでに“朋歌へ”って手紙も付けとけば?
アイツ、しらばっくれそうだし」



「あはは、怜二も結構意地悪なんだね?」



「今頃気づいたのかよ、お前は。
俺、基本Sだぞ」



「………」






そんなこと言われたって、なんて答えたらいいかわかんないよ……






返答に困るあたしを見て、怜二がククッと喉の奥で笑う。






「それそれ、その顔。
そういう顔されると、さらに意地悪したくなる……」





言いながら、怜二が繋いだあたしの手ごとグイッと自分の背中側に引いたから、





「きゃっ…!」






必然的によろめいたあたしの顔は、怜二の鎖骨辺りにくっつく形となった。






途端にフワッと薫ってくるいい匂いに、心拍数が大きく跳ね上がる。







「れ、れいっ…」



「ぷっ… 焦りすぎ。さっきもっと凄いことしようとした奴の反応じゃねぇだろ、それ」



「あれはっ…」






未遂だったし、そもそも部屋の中だったし……






ああもうっ…
ホントに意地悪なんだからっ……!






あたしが恨みがましい視線を向けると、怜二は優しく微笑んでから触れるだけのキスをしてくれた。






「乙葉イジメは、俺だけの特権な……」






それに思わず頷いちゃうあたしって……実はM???
(↑今さら…?)







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