怜二の胸に抱かれたまま、あたしは初めて本人の口から怜二の過去を聞いた。
小学校2年生の時、母親が4つ上のお姉さんを連れて突然家を出て行ったこと。
きっと自分も迎えに来てくれる、そう信じて待ち続けた日々のこと。
母親代わりにと中学に上がるまでおばあちゃんと一緒に暮らしていたこと。
「ばあちゃんの影響でさ、コタツとか日本茶が冬になると恋しくなんだよ……」
そう言って照れ臭そうに笑った怜二の顔は、ちょっとだけ子供っぽく見えた。
それから成長するにつれてどんどん自分が女性不信になっていったこと。
そのことが原因で、女の人とは遊びだけの付き合いしか出来なかったこと。
複数の女性と関係があったことをあたしに感づかれてることは薄々知っていたらしいけど、
「今からはもう絶対にしないし、乙葉だけは絶対に信じられる」
そう言ってくれた表情がものすごく真剣だったから、あたしはまた泣きそうになってしまった。
「ありがとう、話してくれて……」
「いや、こっちこそ黙って聞いてくれてありがとな。途中、聞きたくない話ばっかりだっただろ……?」
「ううん、って言ったら嘘になるから言わないけど、それでも嬉しかったよ?本人の口から聞けて」
第3者から言われても、どこか信じられないところがあったから……
「俺のこと、嫌いになってない?」
不意に不安そうな顔をした怜二に、
「そんなわけないじゃん……」
あたしはありったけの気持ちを込めてキスをしてあげた。
逆にますます怜二を好きになったよ……!
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