「あなたの出番です。どうぞこちらに」
エンキドゥが呼ぶと、部屋にトレンチコートを着た男が入ってきた。
「相田さん、こちらはかの有名な、名探偵・コナソ氏です。たまたま邪馬台国に旅行に来ていたので、事件の早期解決のためにご足労願ったのです」
「なっ!あの、的外れな推理で未解決率200%、事件のないところにも事件を作る、あの探偵コナソですか!」
「これはこれは、お褒めに預かり光栄です」
コナソは相田に頭を下げると、エンキドゥに向かって、
「こちらが現場ですね。あらかじめ確認しておかないと、時々間違っちゃうんで」
と尋ねた。
「そうですよ。この部屋で、日本の大使、川口氏が殺害されたのです」
そう説明品がら、エンキドゥは合図を送るように目を細めてコナソを見た。コナソも注意してみたものでないとわからないほど、小さく頷く。
コナソは部屋を見回すと、床に落ちていた八つ橋を見て、さっそく得意の推理を披露した。
「なるほど。被害者はこれで頭部を殴られたわけですね」