同じ頃、自宅でオーガニックタバコを吸いながらぼんやりしていたフィガロのもとに、オルトリンデがやってきた。

『メーテル殿
先日の内容、私には納得しかねる。
元々シビリアンである我々が工作員として十分な活動などできるわけがないことなど、政府は承知のはずだ。
せめて専門の訓練を受けた人物なり、これまでの情報をたてに護衛艦隊を出動させるなりすべきであると判断する。
   K』

手紙を読み終えたフィガロは、
「やれやれ。この人もそうとうこいつを吸いすぎたらしい」
と自分の手の中で細い煙を立ち上らせているオーガニックタバコをちらりと見ながらため息をついた。
「そうとなれば、この人を安心させてやるのが伝書友達である俺の務めだ。お前もそう思うだろ、オルトリンデ?」
オルトリンデは丸い瞳でフィガロを見つめて「ポッポー」と鳴くのだった。