フィガロはオーガニックタバコを吸いながら書いた手紙を読み返して、その出来栄えに満足した。
「我ながらよく書けた文だー 三枚もー書いーたー コオロギが便箋にとまぁったー 失礼ーなー奴ーだー」
彼はずいぶんむかしに聞いたブームの歌を歌いながら、手紙を丸めてオルトリンデの足の手紙入れに差し込んだ。
「これでよし。オルトリンデ、今夜は泊まっていけよ。豆やるからさ。久しぶりにお前とオセロでもするか」
フィガロはオルトリンデとオセロを楽しみ、オーガニックタバコを吸い、深夜に床に就いた。
夜は様々な思惑を絡み合わせながら、人々を眠りの海に飲み込んでいくのだった。