第一章・邪馬台国と脱官僚


邪馬台国首都・イシュタル市郊外のマルドゥク市との市境にあるテシュプ川の川原で、二つの団体が距離を置いて対峙していた。彼らはこのあたりの集落の人々で、お互いに一名の若者代表を立てて、村をあげての公開お見合いをしているのだ。
「フレー・フレー・フィ・ガ・ロッ!フレッ・フレッ・フィガロッ!フレッ・フレッ・フィガロッ!セックル・大好き・フィ・ガ・ロッ!フーッ!」
片方の集落が、自分達の代表者である青年を激しくはやし立てた。勇ましい声援を背に受けて、青年・フィガロは得意気にニヤリと笑ってみせた。
「おいおい、そんなセクシャルなこと言ったら、マルドゥクのオボコ娘がビビッちまうだろ」
そんなフィガロを、彼のお見合い相手である少女・スザンナは顎をツンと上げて冷ややかな目で睨みつけた。