そうして毎日が平凡に流れたある日。



バンッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!



気がつけば先生が目の前で私を睨みつけていた。


「上野、お前いつまでも見過ごしてると思うな。いいかげんにしろ」


と、大声で怒鳴った。うるさかった周りがしんと静まった。


「なんでしゃべってる奴は怒んないのに私に怒鳴るんですか」


思わず心の声が口をついて出ていた。


「お前、なんだその態度!やる気あんのか上野!」


先生は私の本を取り上げた。


教室は皆、私をじっと見つめていた。


糞、くそくそ、くそおやじ。


放課後、担任から呼び出され注意をされた。


「本は今は返さないがお前の反省した態度を見れたら返します。」


その日から、


真面目に授業を受け、ノートも取り、発言もした。


私は反省をしたフリを演じた。


あの見せしめのように怒鳴った先生と
面倒な生徒だと言わんばかりに私を見た先生に対して、


中学の時、不良を叱る先生の姿を思い出したから。


あずさと、愛子はそんな私を可笑しな子と笑っていた。


私は一つのことをすると周りが見えなくなるんだと、その時感じ始めていた。


本はある日の放課後、私の手元に返ってきた。


しかし私はその本を読まなかった。