カツジにそれから何度か会って、デートをした。


私の彼への印象は「子犬」そのものだった。


甘えん坊で、可愛くって。とても純粋で全てのことに素直な「子犬」。


彼が始めて私の手を歩きながら握った時、彼の手は冷たくなり震えていた。


私が両手で撫でると、耳を垂れた子犬のように甘えた顔になる。



学校では、至って普通に過ごした。


日曜、彼は私を呼び出した。見せたい物があると。


彼の地元駅に着くと、彼は祭り姿で立っていた。


鉢巻を巻き、真っ白の半被を着ていた。


私がびっくりしていると、



「今日ね地元がお祭りなんだ、是非見て欲しくて。」



私は彼の友人に紹介された。彼は恥ずかしそうに紹介している。


一人、私のことを見て微笑んでる男がいた。


彼は彼の先輩だと言った。


祭りに付き合い、私は休憩がしたくてベンチに座っていた。


彼が私の元に来て、半被を引っ張り直した後、私の横に座って



「終わったら俺の家に来ない?」と聞いた。



微笑んで返事をした。


彼は満面の笑みを噛み堪えるように下を向きながら仲間の元に戻った。