それから私は彼の家に行くことが増えた。


互いの手を握りながら勉強をしたり、話をしたり。


彼は何もしなくても、目立っていてそのクールな雰囲気、髪は元から薄い茶色で、目も透き通るような茶色。身体の線は細く背はそのころの平均を軽く上回るほど高かった。


対照的に私は真面目で髪も黒く学校ではいつも後ろに縛り、本当はあまり視力も悪くないのに無理矢理親に買ってもらった眼鏡をかけて。目立たなく、時には卑劣ないじめの対象になった。


いじめを恐いと感じたことはなかった。でも彼との違いで彼が私を嫌いになることが恐かった。


しかし彼は、周りに嘘の自分でいる私を好きだといった。


ある日、学校の放課後、塾の時間まで彼の家で宿題をやるために彼の家に行った。



「ほんと、全然わからない。終わんないわ。」



私は数学が大嫌いだった。


そんな私を横からじっと見つめている彼。


視線を感じながら、ノートから目を離せないでいた。


恥ずかしさを隠すため、私は眼鏡の位置を直した。


その時に、ふっと彼の顔が私に近づいた。


そして首筋から耳にかけて、彼が深く息を吸った。


背筋に激しく電流が走った。


ペンが手から滑り落ちた。