「なぁ…。」
美味しそうに飯を頬張るユリに、俺は呼び掛ける。
俺は昨日、家に着くなり一瞬で心が乱れた。
またユリの姿がなかったからだ。
一度目にユリがいなくなった時は、捜し回って帰るとすんなり部屋に戻ってた。
今回も、2〜3時間すれば戻るだろう。
そう思ってたのに、ユリは一晩帰って来なかった。
ユリは、もう二度と俺の所には帰らないのかと思ったら、また今日には何食わぬ顔で部屋にいる
。
もう、心をかき乱されるのが面倒だ。
今日こそ、ユリの本当の目的を知りたいんだ。
俺の真剣な顔を見るなり、ユリは噛み締めていた飯を飲み込んだ。
ゴクリ――
俺は問いただす。
「お前は何者なんだ。なんで、ここにいる?」

