‥‥‥‥‥‥はっ?
私を?
スカウト???
「はぁ?珠季だと?!」
お父さんも驚いてる。
そりゃそうだよ…、
私が芸能界なんて、
まるでギャグだもん。
「私は至って真面目に言ってるんだ。
珠季くんは顔も綺麗だし、
歌唱力は馨に匹敵する。
――この子にはオーラがある。
絶対にトップに立てる!」
これまでに無いくらい真剣な表情で話す社長さん。
オーラ…?
私は、そんな大層な人間じゃないけどな…
「ちょ、ちょっと待て岬。
色々と訂正したいことがある」
社長さんの名前は岬って言うらしい。
「……訂正?何だ」
「あのな、君の事務所に多くのトップスターが所属してるのは知っているし、
君に素質を見る目があることも十分すぎるほど知っている」
「それはどうも」
「だけど!
だけど、だ。
君の事務所は………
男しか所属していないはずだろう…?」


