「それに、女の子らしいキャラクターでデビューするのは危険なんだよ」
岬さんが言うと、スタッフ達も一様に「確かに!」と頷いた。
女の子らしいキャラクターだと危険…?
それは、私には女の子らしいのが…
「に、似合わないからですか!?」
思わず身を乗り出して叫んだ。
みんなポカンとしている。
「…ぶふっ!
ち、ちがうよ珠季ちゃん!
そういうことじゃないよ」
岬さんが大きく吹き出したとたんに会議室が笑いに包まれた。
え、何…?
「そうじゃないんだよ、本当に。
ただ、さっきも言ったように『TREASURE』は元々男しか所属していない事務所だったんだよ。
当然、ファンも女の子が圧倒的に多い。
そんな中、いかにも『可愛らしいアイドル』な君がココからデビューしたら…
どうなると思う?」
女の子のファンが多い『TREASURE』…
そこから『可愛らしい』私がデビューすると?
「…恐ろしいことになる気がします………」
うん。見えた。
ステージの上で生卵ぶつけられてる私が、一瞬。
見えたよ…


