秘密と生きる君




「ハルって何で転校してきたのー?」

アキは首を傾げながら聞いてきた。

「親の仕事の都合でだよ。引っ越しってめんどいのな。ほとんど親に任せっきりだったよ」

「へー。ハルの親って忙しい人なんだね」

「どうかな。どんな仕事してるかよく知らないし」

「えー!?そんなんでいいの!?」

「別にいいんじゃないかなぁ」



俺は親に関心をあまり持っていなくて、親がどんな仕事をしてるかどうでもよかった。
唯一知っているのは、最近今の仕事に変えたということだけだ。



「そういうアキの親は何してるんだよ?」

「うちはパン屋さんなんだよ〜!」

「パン屋?毎日美味いパン食べれていいなぁ」

「ははっ。ハルは面白いなぁ〜!確かに食べようと思えば食べられるけど、母ちゃんに怒られるんだよなぁ」

「やっぱ売り物だからダメなのかな?」

「たぶんね〜」

ニカッと歯を見せながらアキは笑った。
アキの笑顔を見てると、なんだから和む気がする。
こいつ、癒し系なのかも。


そうアキの笑顔に癒されていた時………