秘密と生きる君




なんとか午前の授業が終わり、昼休みになった。



「あ〜、疲れた!そんですっごいお腹減ったぁ〜!」


アキが席を立ち、伸びをしながら言った。
腰を左右にひねり、パキパキと音も鳴らしている。



「確かに腹減ったな。てか、アキはいつもどこで昼飯食べてるんだ?」

「中庭だよ〜!」

「俺もそこに行っていいか?」

「もちろん!そこで俺の友達を紹介するね!他のクラスの奴だから、昼にしか会えないんだよね〜」

「マジで?楽しみだなぁ。早く行こうぜ」

「うん。行こっか!」



中庭はどうやって行くか分からないから、アキに付いて行った。

廊下もまた騒がしい。
ホントこの学校の生徒は元気だな。
この元気を違うとこに使えばいいとつくづく思う。





教室から少し歩いて、中庭に到着した。

結構綺麗な中庭だ。
花壇もあって、花も咲き誇っている。

そして、真ん中に大きな木が立っていた。
かなり年を重ねているように見える。



「アキ、あの木は何の木なんだ?」

「んー?あぁ、あれは桜の木だよ。春になるとすっごい綺麗に咲くんだぁ〜!」
「へぇ〜。桜の木かぁ……」


俺は花の中で桜が好きだ。密かに、春の季節になることを心待ちにしていたりする。

今は秋の季節だから、桜が咲くまでまだ時間がある。


「あ、愁〜!悠馬〜!」

アキが手を振りながら花壇に腰を下ろしている二人に近づいて行った。