弥生の小さい背中を見て、洋子の胸が痛む。


「弥生ちゃん……頑張って」


励ますように洋子は呟いた。


これが『解決』になんてなっていないことは、洋子にもわかっている。


それこそテレビのリモコンの調子が悪いだとか、たばこの税金が上がったとか。


天気が悪いだとか。


暴力の理由なんて何でもいいのだ。


そして繰り返される。


そんな毎日を過ごしている、あの小さい背中の少女を放っておけるはずがない。


洋子は、黙って見守るだけしか出来ない自分が歯痒く、そして苦しかった。