踏切の向こう側

家から10分ほど歩いたところに、小学校はある。


創立60年と、学校自体は歴史あるものなのだが、昨年の改装工事のお陰で幾分綺麗だ。


校庭は広く、遊具が散りばめられている。


特に人気があるのはブランコで、いつもブランコの周りには生徒が沢山いた。



スニーカーを脱ぎ、上履きに履き替えて校舎に入った。


そして、5年生教室までの階段を上っていく。



5年2組の教室に着くと、僕はまっすぐ窓際の自分の席についた。



特にやることもないのだ。

いつもそうだった。


同学年の子供達となんか上手くやれる気がしない。


彼らは、バカだ。負け組だ。


人に嫌われるのが嫌で、自分を捨てて、無理矢理な笑顔を造る。

嫌われてしまっても尚、ひとりでいるのを恐がり、それを避けようと話し相手を貧る。



そんな関係なら、はじめから持ちたくない。


それに、僕はそんなことに怖がって話そうとしないわけではなく、ただ同じレベルになるのが、同じレベルに見られるのが、どうしようもなく嫌なのだ。



そんな邪な感情で、僕は生きている。