もう、どうでもいいと。感じる右手の痛みと、赤く汚れる様を何処か遠い目で見ていた。
「…派手にヤッてくれたなァ?」
薄暗い裏道の片隅に。派手なネオンが光るその店はplactic jokeの本拠地だった。煩い音楽。煙る室内。ギラ付く視線。全てが下品で最悪だった。
北高の制服を身に纏った男達の先頭に立つのは、同じ制服を見に着けた藤咲。煙草を燻らせながら、その唇を歪めている。
「相変わらず気持ち悪ィくらい統括されてンなー、北は。」
「は、俺はオマエと違ってしっかり頭やってンだよ。…南と一緒にすンな。」
緊迫するこの状況で。千鶴と藤咲の厭味な掛け合いは無意味だった。こんな状況で血が騒ぐのは、本能。
力で捩じ伏せて全て奪いたい。
「…上条。」
ぼんやり、と天井を見上げていた僕は。不快なその声にピクリ、と反応する。
ムカつく
ムカつく
ムカつく。