本当はね。ただ傍に居たいとか。アイツの代わりでイイとか。そんなの綺麗事に決まってる。

だって。綺麗事でも言わないと君と僕の間には、何も理由が存在しないじゃないか。



「…ごめんなさい!」



めーちゃんは苦しそうな顔で僕にそう言った。その顔も、忌々しい藤咲の後輩達の顔によって埋もれていく。

何が「ごめんなさい」なの?



「…めーちゃん!」



僕は愛しい想いを込めて君の名前を呼ぶよ。絶対離さないと誓うから手を差し伸べるよ。

だから。僕を要らないと言うのなら、もう二度と。君の名前を呼べない様に、この喉を潰して下さい。君を抱き締める事が出来ない様に、この腕を切り落として下さい。



「…芽衣ちゃん!」



君を愛せない様に、この僕を殺して下さい。