抜殻になった僕に。僅かに残ったのは「逢いたい」というキモチだけだった。
「……………………。」
生まれて今日まで、涙なんか流した事の無い僕の瞳は。やっぱり涙なんか流れなくて。色彩を失った様に、モノクロの世界がただ広がるだけだった。
それは。めーちゃんと出逢う以前に見ていた、淋しい世界。悲しい世界。ツマラナイ世界。…見慣れていた筈なのに。
「……めーちゃん、」
君の名前を呼ぶ。
どうして今日は心に響いてこないのかな?君の名前を口にするだけで。僕の顔には表情が生まれていたのに。僕の心には感情が生まれていたのに。
ねぇ、芽衣ちゃん。
今、君に逢いたい。すごく逢いたい。