「レン?」

「何でもねーよ」

「写真、持ってるの?」

「あ? あ、まあな」

レンが言い難そうに、呟いた

「いつから?」

「中学んときから」

「どうして?」

「別に…意味なんてねえよ」

レンはぷいっとそっぽを向いてしまう

「レン?」

「聞くな」

「聞きたいよ」

「いいんだよ」

「良くないよ」

「いいんだってば」

レンは腕を組んで、喉を鳴らす

こうなったら、きっとレンはいくら質問しても答えてくれない

あたしは口を尖らせて、肩を竦めるとレンの背中を突いた

「言わねえよ」

「レン、お腹減った」

「はあ?」

レンが振り返る

あたしは胃を抑えると、レンににこっと笑う

ぐうぅっと、盛大な腹の音が鳴った

「…ったく。何だよ。さっきまで恐怖でぶるぶると震えてたのに。次は腹っぺらしかよ」

レンが呆れたように額を叩いた

「えへへ」とあたしは苦笑い浮かべた

だって、レンと話しているうちに気持ちが落ち着いたんだもん

そしたらお腹が減ったなあって思って……

「おふくろから、貰ってくるよ」

レンは立ち上がると、スタスタと玄関に向かった